子どもたちは年々変化、習い事に時間がかかる理由
●ロボット教室のカリキュラム延長
ロボット教室の10月からベーシックコースが、2021年1月からミドルコースがそれぞれ6か月延長となり各コースの期間は下記のようになります。
プライマリーコース 1年
ベーシックコース 2年
ミドルコース 2年
アドバンスコース 2年
小学生はベーシックコースから始めますので6年間、小学校と同じだけ通っていただくことになります。
カリキュラムが伸びる理由は様々考えらえます。
講座を供給しているヒューマンアカデミーとしては今人気の習い事上位のこのロボット教室でより売上の安定を図ろういうことも明白です。
私もこのカリキュラムの延長は賛成です。
●子どもたちの取組み方が年々変化しています。
私はモノづくりを通じて創意工夫することの楽しみを伝えたいと考え、この事業を始めました。
木工を中心とした造形教室は約15年前、ロボット教室は約9年前に開始しました。
ご縁があって始めたとトワイライトスクールでのボランティアも約13年続いています。
この間、私は子どもたちのモノづくりへの取組み方が年々変化しているのを感じています。
・自分で工夫しようとせず、教えてもらうのを待っている
・出来上がった目先の面白さを求め、自分で作り出すことを楽しめない
・同じ目的を持った仲間との協業や切磋琢磨を楽しめず、自分勝手に行動する
始めた当初にもこういう子どもたちも少しはいましたが、今ではほとんどの子がこうなっていると感じています。
●改良の方法、パクり方も変化しています
私が伝えたいモノづくりの楽しさは「創意工夫して、困難を乗り越える楽しさ」です。
作りたいと思ったものを作り始めても最初は思ったようにできません。自分のアイデアを絞り出して、あるい前例や他人のアイデアを利用して試行錯誤を重ねて何とかそれを作り上げたときの達成感を味わってほしいのです。
ですから「人のアイデアをどんどんパクれ」と指導していますがそのパクり方も変化しています。
人のアイデアに興味を持ちその仕組みを理解してより高度なものにしようという本来のパクり方は今はほとんど見られず、意味も分からずとにかく真似をして結果を出そうとします。
ロボット対決のための改良も、意味のない飾りばかりが増え、機能を向上させるためのアイデアはほとんど見られません。おもしろい形やそれが壊れるハプニングを楽しむばかりなのです。
●ほとんどの子がそうなってしまった現実
ロボット教室の生徒は現在大高、鹿山を合わせ約75人いますが。学年相応に私の求める取り組み方や技術を身に付けている子は数名です。1割もいないということです。
造形教室も同様に約80人の子供たちがいますが担当の先生たちも同様のことを感じています。現実に今までの授業が成り立たず、年々レベルを下げているのが現状です。
その原因は
・実体験不足
都会には場所もなく石ころや木の枝で遊ぶ機会もありません。お手伝いで栓抜きや缶切りを使うことも有りません。
以前はこれらの中で「摩擦」「慣性」「てこの原理」など様々な物理現象を体で感じることができたのですが今ではほとんどありません。興味を持つチャンス、観察の機会も同様に激減しているのです。
・パーソナルでお手軽な日常
ゲームでは一人で遊ぶ中で容易に結果が出せます。欲しい情報やモノはネットで検索して容易に手に入ります。
大人の私たちも振り返れば以前に比べてはるかにお手軽な生活をしています。子どもたちはその鏡なのです。
苦労を知らない子どもたちはそれにより本来の楽しみに出会えずにいるのです。
●今の子どもたちに合わせ時間をかけて指導していきます
これらの現実の中で私は子どもたちへの期待を捨ててはいません。
造形教室もロボット教室も子どもたちが失った遊ぶ機会を提供しています。
・前述の意味のない改造や、ハプニングをおもしろがる行動も、子どもらしく新たな発見をするチャンスです。私の本来の期待には沿っていなくても子どもたちは必ずそこから何かを学んでいます。
・ロボット対決におチャラけて参加したり、勝負に消極的なのも、自分だけできずに涙するのも「負けたくない」という向上心の表れです。数多い対決の中で1回でも好成績を上げるとそれを機会に頑張れる子もいます。
・プライマリコースや造形教室の年中さん、年長さんに気づかされることも多くあります。
彼らは独創的で、時には自分勝手にものすごい集中力を見せます。子どもが本来持っている成長の力です。
正直なところ授業はやりにくいですが、授業を型通り終えることが目的ではありません。子ども本来の力をつぶすことなくさらなる成長に結び付けていかなくてはなりません。
子どもたちが「教室が楽しい」と感じてくれるのであれば時間をかけて成長を引き出すことは必ずできます。
●ご家庭でも機会をとらえ環境を与えてください
子どもたちが長く通う中で、それぞれの子があるとき「スウッ」と変化する瞬間を感じることがあります。
それは「毎月のロボット対決」であったり。「全国大会へのチャレンジ」であったり。
その子なりに「夢中に取り組んだ結果」だと思います。
ですが子どもたちが教室に通うのは月に2回、せいぜい2時間くらいです。私たちが提供できるのは限られた機会、きっかけでしかありません。
私もこの機会をより有効なものにするため努力はしますが前述のような状況の中まだまだ力不足です。
ですからご家庭でも積極的に機会をとらえ、取り組んでいただける時間や環境を確保してもらえればと思います。
今年、当教室から全国大会にエントリーしたお子さんは19名です。取り組んだ結果エントリーに至らなかったお子さんも数名いますが、まだまだ3割くらいです。
毎月のロボット対決も子どもたちには「お家の人の力を借りても良いから」と声かけしています。ですが約半数のお子さんには、その取り組みは見られず前回のまま何も進化しないでやってきます。
そんな中お父さんが夢中になり、子どもそっちのけで改良した例もあります。結果はともかく子どもたち自身やご家庭で何らかの取り組みをする機会を作っていただければと思います。
創遊の樹 代表
ロボット教室担当
片岡康平
関連して 子どもたちの「やる気」については下記のブログで
子どもたちの「やる気」
ロボット教室の10月からベーシックコースが、2021年1月からミドルコースがそれぞれ6か月延長となり各コースの期間は下記のようになります。
プライマリーコース 1年
ベーシックコース 2年
ミドルコース 2年
アドバンスコース 2年
小学生はベーシックコースから始めますので6年間、小学校と同じだけ通っていただくことになります。
カリキュラムが伸びる理由は様々考えらえます。
講座を供給しているヒューマンアカデミーとしては今人気の習い事上位のこのロボット教室でより売上の安定を図ろういうことも明白です。
私もこのカリキュラムの延長は賛成です。
●子どもたちの取組み方が年々変化しています。
私はモノづくりを通じて創意工夫することの楽しみを伝えたいと考え、この事業を始めました。
木工を中心とした造形教室は約15年前、ロボット教室は約9年前に開始しました。
ご縁があって始めたとトワイライトスクールでのボランティアも約13年続いています。
この間、私は子どもたちのモノづくりへの取組み方が年々変化しているのを感じています。
・自分で工夫しようとせず、教えてもらうのを待っている
・出来上がった目先の面白さを求め、自分で作り出すことを楽しめない
・同じ目的を持った仲間との協業や切磋琢磨を楽しめず、自分勝手に行動する
始めた当初にもこういう子どもたちも少しはいましたが、今ではほとんどの子がこうなっていると感じています。
●改良の方法、パクり方も変化しています
私が伝えたいモノづくりの楽しさは「創意工夫して、困難を乗り越える楽しさ」です。
作りたいと思ったものを作り始めても最初は思ったようにできません。自分のアイデアを絞り出して、あるい前例や他人のアイデアを利用して試行錯誤を重ねて何とかそれを作り上げたときの達成感を味わってほしいのです。
ですから「人のアイデアをどんどんパクれ」と指導していますがそのパクり方も変化しています。
人のアイデアに興味を持ちその仕組みを理解してより高度なものにしようという本来のパクり方は今はほとんど見られず、意味も分からずとにかく真似をして結果を出そうとします。
ロボット対決のための改良も、意味のない飾りばかりが増え、機能を向上させるためのアイデアはほとんど見られません。おもしろい形やそれが壊れるハプニングを楽しむばかりなのです。
●ほとんどの子がそうなってしまった現実
ロボット教室の生徒は現在大高、鹿山を合わせ約75人いますが。学年相応に私の求める取り組み方や技術を身に付けている子は数名です。1割もいないということです。
造形教室も同様に約80人の子供たちがいますが担当の先生たちも同様のことを感じています。現実に今までの授業が成り立たず、年々レベルを下げているのが現状です。
その原因は
・実体験不足
都会には場所もなく石ころや木の枝で遊ぶ機会もありません。お手伝いで栓抜きや缶切りを使うことも有りません。
以前はこれらの中で「摩擦」「慣性」「てこの原理」など様々な物理現象を体で感じることができたのですが今ではほとんどありません。興味を持つチャンス、観察の機会も同様に激減しているのです。
・パーソナルでお手軽な日常
ゲームでは一人で遊ぶ中で容易に結果が出せます。欲しい情報やモノはネットで検索して容易に手に入ります。
大人の私たちも振り返れば以前に比べてはるかにお手軽な生活をしています。子どもたちはその鏡なのです。
苦労を知らない子どもたちはそれにより本来の楽しみに出会えずにいるのです。
●今の子どもたちに合わせ時間をかけて指導していきます
これらの現実の中で私は子どもたちへの期待を捨ててはいません。
造形教室もロボット教室も子どもたちが失った遊ぶ機会を提供しています。
・前述の意味のない改造や、ハプニングをおもしろがる行動も、子どもらしく新たな発見をするチャンスです。私の本来の期待には沿っていなくても子どもたちは必ずそこから何かを学んでいます。
・ロボット対決におチャラけて参加したり、勝負に消極的なのも、自分だけできずに涙するのも「負けたくない」という向上心の表れです。数多い対決の中で1回でも好成績を上げるとそれを機会に頑張れる子もいます。
・プライマリコースや造形教室の年中さん、年長さんに気づかされることも多くあります。
彼らは独創的で、時には自分勝手にものすごい集中力を見せます。子どもが本来持っている成長の力です。
正直なところ授業はやりにくいですが、授業を型通り終えることが目的ではありません。子ども本来の力をつぶすことなくさらなる成長に結び付けていかなくてはなりません。
子どもたちが「教室が楽しい」と感じてくれるのであれば時間をかけて成長を引き出すことは必ずできます。
●ご家庭でも機会をとらえ環境を与えてください
子どもたちが長く通う中で、それぞれの子があるとき「スウッ」と変化する瞬間を感じることがあります。
それは「毎月のロボット対決」であったり。「全国大会へのチャレンジ」であったり。
その子なりに「夢中に取り組んだ結果」だと思います。
ですが子どもたちが教室に通うのは月に2回、せいぜい2時間くらいです。私たちが提供できるのは限られた機会、きっかけでしかありません。
私もこの機会をより有効なものにするため努力はしますが前述のような状況の中まだまだ力不足です。
ですからご家庭でも積極的に機会をとらえ、取り組んでいただける時間や環境を確保してもらえればと思います。
今年、当教室から全国大会にエントリーしたお子さんは19名です。取り組んだ結果エントリーに至らなかったお子さんも数名いますが、まだまだ3割くらいです。
毎月のロボット対決も子どもたちには「お家の人の力を借りても良いから」と声かけしています。ですが約半数のお子さんには、その取り組みは見られず前回のまま何も進化しないでやってきます。
そんな中お父さんが夢中になり、子どもそっちのけで改良した例もあります。結果はともかく子どもたち自身やご家庭で何らかの取り組みをする機会を作っていただければと思います。
創遊の樹 代表
ロボット教室担当
片岡康平
関連して 子どもたちの「やる気」については下記のブログで
子どもたちの「やる気」
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